○水道原水に係るクリプトスポリジウム等による汚染のおそれの判断

(1)レベル4(クリプトスポリジウム等による汚染のおそれが高い)
地表水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設

(2)レベル3(クリプトスポリジウム等による汚染のおそれがある)
地表水以外の水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設

(3)レベル2(当面、クリプトスポリジウム等による汚染の可能性が低い)
地表水等が混入していない被圧地下水以外の水を原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがない施設

(4)レベル1(クリプトスポリジウム等による汚染の可能性が低い)
地表水等が混入していない被圧地下水のみを原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがない施設


○リスクレベルの判断

(1)レベル4
クリプトスポリジウム等については、し尿、下水、家畜の糞尿等を処理する施設から排出される汚水の他、イノシシ、シカ、サル等の野生生物の糞便も汚染源となることから、地表水である原水から指標菌が検出されている場合は、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれが高いと判断される。

(2)レベル3
レベル4に該当しない、伏流水、浅井戸等を水源とする施設であっても、原水から指標菌が検出されたことがある場合、当該原水は糞便により汚染されていると考えられることから、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれがあると判断される。

(3)レベル2
原水から指標菌が検出されていない場合は、当該原水は糞便により汚染されていないと考えられることから、当面、クリプトスポリジウム等による汚染の可能性は低いと判断される。

(4)レベル1
井戸のケーシング等が破損していないこと、ストレーナーが被圧地下水のみを取水できる位置にあること等が確認され、かつ、原水の水質検査結果から地表水が混入していないことが確認できる井戸(例えば、大腸菌、トリクロロエチレン等が検出されていないこと等)から取水した被圧地下水を原水とし、当該原水から指標菌が検出されたことがない場合には、クリプトスポリジウム等による汚染の可能性は低いと判断される。


○原水等の検査

(1)レベル4及びレベル3
・ 水質検査計画等に基づき、適切な頻度で原水のクリプトスポリジウム等及び指標菌の検査を実施すること。ただし、クリプトスポリジウム等の除去又は不活化のために必要な施設を整備中の期間においては、原水のクリプトスポリジウム等を3ヶ月に1回以上、指標菌を月1回以上検査すること。

(2)レベル2
・ 3ヶ月に1 回以上、原水の指標菌の検査を実施すること。

(3)レベル1
・ 年1回、原水の水質検査を行い、大腸菌、トリクロロエチレン等の地表からの汚染の可能性を示す項目の検査結果から被圧地下水以外の水の混入の有無を確認すること。
・ 3年に1回、井戸内部の撮影等により、ケーシング及びストレーナーの状況、堆積物の状況等の点検を行うこと。


○指標菌

大腸菌(E.coli)及び嫌気性芽胞菌は水道原水の糞便による汚染の指標として有効である。
また、その感染経路から、糞便により汚染された水源の水にはクリプトスポリジウム等が混入するおそれがある。このため、原水にいずれかの指標菌が検出された場合には「原水に耐塩素性病原生物が混入するおそれがある場合(レベル3以上)」に該当することとなる。